引越し時にやっておくべき!室内の湿気・カビ対策とは
住まいで暮らすうえで対策必須といえる部屋の湿気・カビ問題。これらは引っ越しのときにも注意すべきポイントであり、カビをそのまま放置しておくとアレルギーや感染症の原因となるなど、生活に悪影響を及ぼす可能性があります。そこで、今回は引っ越し時に行うべき室内の湿気・カビ対策の方法を場所ごとに解説します。
もくじ
カビが発生すると健康に悪影響も…
住まいに発生するカビは、そのまま放っておくと人体に影響を及ぼし、住む人の健康を害する恐れがありますが、一体どのような健康被害がもたされるのでしょうか。カビによる健康被害の具体的な影響についてみていきましょう。
■気管支肺アスペルギルス症
気管支肺アスペルギルス症とは、自然界に広く存在する「アスペルギルス」と呼ばれるカビの一種が体内に入って増殖し、呼吸を妨げる感染症のことです。免疫力が低下している状態や、アスペギルスにアレルギーがある場合などに発症しやすく、発熱・息切れ・咳・痰など喘息と同じような症状が出ます。
■水虫
水虫とは、「白癬菌(はくせんきん)」と呼ばれるカビの一種が足裏の皮膚に取りついて増殖し、強烈なかゆみなどの症状を引き起こす感染症です。靴下や靴の中など湿度の高い状態になることで症状が悪化し、スリッパや足拭きマットなどの共有を行うと他者へ感染します。感染すると「指の間が白くふやける」「カサカサして皮がむける」「小さな水疱ができる」などといった症状がみられるのが特徴です。
■シックハウス症候群
建材に含まれる化学物質や家具に発生するカビなど、住宅をはじめとした住まい・建物で見られる健康被害を総称して「シックハウス症候群」と呼びます。症状はめまい・鼻水・吐き気・湿疹・頭痛・倦怠感など人によってさまざまです。
■夏型過敏性肺炎
夏型過敏性肺炎とは、日本で発見された「過敏性肺炎」で、湿った室内に繫殖した真菌属の胞子を吸入することによって起こる疾患です。主に咳・淡・悪寒・頭痛・発熱・呼吸困難などの症状が現れ、診察を受けても風邪と間違われやすいといった難点があります。エアコン内部で増殖したカビが原因で発症することも多いため、注意するようにしましょう。
押し入れ・クローゼットのカビ対策
住宅に見られるカビは、主に高温・多湿の場所かつ栄養源となる汚れがあるところに発生しやすいといわれています。そのため、カビ対策ではなるべく汚れや湿気が溜まらないように管理することが大切です。押し入れ・クローゼットは密閉された空間であることから、通気性が悪く、カビが発生しやすいとされています。
また、衣類や布団に付着したカビが体内に入り込んだり、ダニの発生原因につながったりして、健康に害を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。
押し入れ・クローゼットのカビ対策としては、「衣類や布団を端までいっぱいに収納せず隙間を作る」「襖やドアを開放して湿気をこもらせないようにする」「乾燥剤・除湿剤を活用して湿気を除去する」など、湿気を空間内に溜めないようにする方法が効果的です。
水まわりのカビ対策
お風呂場や洗面台などの水まわりは、住まいの中でもとくにカビが発生しやすい場所であるため、定期的にしっかりと清掃する必要があります。お風呂場のカビ発生を防止するには、週に一回程度ゴムパッキンやタイルの目地に、45~50℃程の高温のシャワーを5秒以上かけ続ける方法がおすすめです。
とくに洗剤なども必要とせず、簡単な作業で誰でもすぐに行うことができます。シャワーの熱によって菌を除去し、カビが発生するのを未然に防ぐことが可能です。また、風呂上がりなど、お風呂場を使用した後にはこまめに換気扇を回すなど、換気を意識することもカビ対策に効果的といえるでしょう。
エアコンなどの家電のカビ対策
エアコンや洗濯機など、日常で使用する家電にもカビが発生しやすいため注意が必要です。
■エアコンのカビ対策
エアコンは、内部が結露した場合などにカビが発生しやすい傾向にあります。そのまま放置しておくと、部屋中にカビの胞子をばら撒き、アレルギーの原因になる可能性が高いため、必ず対策するようにしましょう。
対策としては、エアコンの使用後に「送風」を1時間程度行い、乾燥させてカビの増殖を防ぐ方法が簡単かつ効果的であるためおすすめです。
■洗濯機のカビ対策
外からは確認できないため見落としがちですが、洗濯機は知らぬ間に内部にカビが発生しているケースが非常に多いため注意しましょう。洗濯機は洗剤の残りや洗濯物の汚れがあり、高温多湿でカビが繫殖しやすい場所です。
主な対策方法は、使用後に水気を拭き取り、使用していないときにはふたを開けっぱなしにして乾燥させておく方法や、カビの元となる洗剤を残さないようにきれいに溶かして使用するといった方法がおすすめです。
まとめ
住まいのあらゆる場所にカビが発生する可能性があるため、場所ごとの対策方法をしっかりと把握しておくことが大切です。カビをそのまま放置して被害を拡大させないためにも、引っ越し時にはなるべく早めにカビ対策を行うようにしましょう!